弘前旅行1日目 - Yoshitomo Nara +graf A to Z

update: October 7, 2006 | | Trackback (0)
category: travel
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10月の三連休を利用して北東北を旅行してきました。目的は「Yoshitomo Nara +graf A to Z」という展覧会、奈良美智の作品に会いに行くため。いままで彼が世界各地でやってきた個展で作られた小屋を一挙まとめて大公開というもの、展覧会の終了とともに小屋は燃やされてしまうらしい。世界中の空気を吸ってきた小屋をまとめてみられるなんて、なんてオトクなのだろう。世界中まわることに比べたら弘前なんて近いものじゃないか!

ということで、行くことに決めたわけだが折しもこの時期は秋の爆弾低気圧の接近に伴い非常に荒れた天気のなか巡る北東北となった。生きて帰ってこられてよかった(大げさ)。

新幹線で移動

さて前日まで関東地方を襲っていた激しい嵐から一転、気持ちよく晴れた東京駅から新幹線に乗り込む。そして、過ぎ去った低気圧を追っかけるように一路盛岡まで。郡山を過ぎたあたりから不穏な天気となってきて仙台のあたりでは在来線は既にとまっているようだ。それでもなんとか盛岡まで辿り着きレンタカーを借りる。出てきたのは何故か山梨ナンバーのマーチ。外見はややへこんでいたりするところもあるがまあ、まだまし。乗り込んでみるとエアコンの吹き出し口の羽根が割れてなくなっていたが・・。そして、このマーチについているカーナビのせいでこのあと大変な目にあうことになるとはまだ思いもしなかった。

ただ、このときはまだそんなことを考える余裕もなく急いで東北道で青森を目指す。暴風雨のため追い立てられるように後ろのICから通行止めになっていく。長いトンネルと抜けて碇ヶ関ICについたときにはちょっとホッとした・・・。しかし、数時間後にここも通行止めになっていたが。

青森県立美術館

まず向かったのは青森県立美術館。ここはLOUIS VUITTON GINZA MATSUYAの外装なども手がけた青木淳が設計した建物。半地下のような感じの建物全体は白く囲まれていて、これって雪降ったらどこに建物があるのか分からなくなるだろうな・・と思ったりする。しかし、周りの風景との一体感ということでいえば極めて素直で正しい。窓が見えない感じの建物だったのだが中に入ると地下までうまく採光されていてとくに高い吹き抜けの天井とかが気持ちがいい。行った時期(警報クラスの暴風雨)もあるのだろうが、人も少なくて落ち着いて観ることができた。監視している人はちょっと多すぎな気もしたけれど。ここには、奈良美智が製作した巨大な「あおもり犬」というオブジェが有名だけど、それ以外にも沢山の作品が所蔵されている(所蔵リスト)。また、ソウルで開催されたときに作られた小屋、通称「ソウルハウス」もあるのだが、僕にとってはこれが初の小屋体験。色々な仕掛けがしてあり、子供の目線で作られているのぞき窓とか秘密基地のようで懐かしいような気分になった。やはり、僕としてはこういうほんのりと暖かい色調の絵が好きだな。

次に向かったのは弘前。青森から高速に乗ると碇ヶ関から先は通行止めになっていた。弘前はそこより手前にあるので大丈夫なのだが、もし遅い時間の新幹線とかだったりしたら確実に盛岡で足止めくらってしまっていて展示会とかいう状況ではなかっただろうなと思うと、まあラッキーなのだと思う。道も空いていたし。

Yoshitomo Nara +graf A to Z

Yoshitomo Nara +graf A to Z

「Yoshitomo Nara +graf A to Z」は弘前市内にある吉井酒造煉瓦倉庫という古い酒蔵の建物を利用して開かれている。運営にあたっては全国から多くのボランティアが来ているみたいでmixiなどでも宿泊のシェアなどを募っていたりする。ボランティアということはお金とかもらっていないだろうに、みんないきいきと働いていて楽しそう。学生で起業とかビジネスミーティングがどうとかいうのもいいけど、若いうちには自分の好きなもの/興味のあるものに対して見返りをもとない行動をしてみるっていうのは将来大人になったときにとても暖かくてきれいな思い出として残ると思う。そんな思い出あっても意味がないという人は仕方がないが、ビジネスとか金勘定は大人になってからでも、うんざりするくらいできるわけだし、損得勘定とは別の行動というものもやってみた方が人間の幅が広がるんじゃないかなと思う。

さて、展覧会の話し。建物の中にはいると古い学校のような黴とか木の匂いがする。外は大雨ということもあり来場者はそれほど多くなさそう。最初の小さな小屋を抜けると薄暗い広場のようになっていて、その広場のあちこちに小屋があってなんていうか、小さなお祭りにきたような気分。始めてきた場所だし、始めてみるものなのにとても懐かしい。でも、この会場の外に出ると現実は違うわけでその、手の届かないところに存在しているような感覚がとても寂しいというか郷愁を感じる。うまくいえないのだが、昔持っていたようなほんのり暖かい部分を誰かが探し出してきて僕の目の前に一時的に置いてくれているような気分。

ということで、熱病におかされた人のようにあっちの小屋からこっちの小屋へと見てまわってはぼけっーとしたり色んな角度から眺めてみたり。小屋のなかだけじゃなくて、屋根にも細工がしてあったり宝探しをしているようでもある。そして会場に来ていた人のなかに奈良美智の絵から抜け出してきたような、まんまるの目をした小さな女の子がいてびっくりした。恋におちたわけじゃないけど、これは運命なんじゃないかとか。ワークショップみたいな小屋で遊んでいるのを見ては、なんか1人で感動してしまったりして(念のためにいっておくけど、決してそういう趣味があるわけではありません)。会場の2階にもあがり、色んな展示をみて終わりがみえても、なにかもうこのままずっと続いて欲しいようななんともいえない気分だった。

なので、物販エリアでは物欲ばくはつ。ちょっと沢山の買い物をしてしまいクレジットカードを使ったのだが、決済がオンライン化していなくてなおかつ高額だったとかでカード会社サポートと電話をして本人確認をすることになってしまった。いや、まあ全然本人なのでいいのだがたしかにちょっと買い物し過ぎたかも。

深浦へと移動

すごく寂しい気分で弘前をあとにして向かったのは深浦町。弘前から深浦までは地図でみるとまっすぐに県道が伸びていて近そうに見えるのだが、じつはこれがくせもの、というか僕が知らなかっただけなのだがこの県道はスーパー林道というやつで舗装すらされていないらしい。そんな道を暴風雨でさらに夜中に運転する気にはなれなかったので(当たり前だ)、海沿いに走っている国道を通ってぐるりと回り込むことにする。しかし、車のナビゲーションはしきりに林道方面へと僕とナビしようとするのだが・・こいつおれの命を狙っているのか?

嵐の天気のなか国道を走って深浦へと向かう。深浦駅を過ぎると古い商店街や手で扉をあけるようなパチンコ屋があり昭和の時代にタイムスリップしたような光景。それに気を取られてナビのいうとおりに国道をまがってみると人の家の裏庭みたいなところを通り過ぎたりして、そこから先どんどんを山の中に突き進んでいく道になる。あ・・これはやばいと思ったときには既にUターンすらできないような細い道になっていて、山にへばりつくように曲がりくねった道の片側は真っ暗闇、たぶん崖になっている。そしてカーブを曲がると暴風雨で倒れた木が転がっていたりして確実にカーナビの殺意を感じる。地図をみると県道192号線というところで、深浦にある小さな半島をショートカットする道らしいのだが、少なくともここは初めての運転でしかも暴風雨の夜に通るような道ではない。無事に国道に戻れたときにはなんかもう中国の山奥から生還できたときよりもうれしかったもの。あんな山でカーナビのせいで事故って死んじゃいましたなんて・・・ちょっとやだ。

嵐の1日でしたが、なんとか無事に宿に到着。着いてお風呂入ってようやく自分がまだ生きていることを実感できた・・。ここも昼間にみたらきれいなんだろうな・・。

written by sinn
 

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