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ついにこの日がやってきました。ワールドカップのトーゴ対スイスの試合を観にドルトムントまで移動。とくに予定もないし、ユーロは高いので節約、早めに出発してローカル線で行くことにする。とはいえ、1時間弱で着くのだけど。感覚的には東京から東海道線乗って辻堂あたりまで行った感じ。 オール2階建てになっている快速列車のなかはスタジアムに向かう人で既に満員に近い。ドイツにしては珍しい。そして、みなビール飲んで大声で歌とか歌ったりして、かなりハイテンションになってる。つられて思わず僕も浮かれてしまう。みんな、勝負とかを越えて一生のうちに何度かしか味わうことのできない非日常、このフェスタを心から楽しんでいる。 ドルトムントの駅からスタジアムまで、歩いて行けなくもないがとりあえず地下鉄を使って行ってみる。スタジアムへ向かう地下鉄はラッシュ時の山手線みたいな混みよう。そして、スイスのサポーターが多いのだが彼らはみな揃いもそろって山のようにでかい。たぶん、チーズとか山ほど食べているのだろう。そんなのが小さな地下鉄の車両に押し込められているので結構大変だし、みなそんなラッシュに慣れていないのか、かなりしんどそう。しかし、テンション高く歌を歌いまくっているが。僕はといえば、ラッシュには慣れているのでさっさと車両の奥の方に進んで場所を確保してあとは、のんびり進むのを待っている。日本にいるときのラッシュとちがってまわりがでかいので圧迫感があるけれど。ただ、日本のラッシュみたいにサツバツとしたのはない。非常に平和。地下鉄はスタジアムに向かうまでにも駅にとまるのだが、乗っているおっさんとかがホームで待っていて電車に乗ろうとしている人たちに対して窓越しに「おまえらー!もう乗ってくるなー!」とか身振り手振りを加えて大声で叫んでいる。たしかに。もう乗れるような余地はないが・・しかし、なんか面白い光景だ。 スタジアムにつくと、そこはもう歓声の洪水。4年前、日本でやっているときも相当なお祭りだったが、それとはまたちょっとちがった雰囲気がある。日本のはお祭りとして楽しんでいる感じだが、こちらは根底にフットボールがしっかりあって、そのうえで世界最高の大会として楽しんでいるような・・そんな雰囲気。互いのサポーターたちが交流していたり地元のドイツ人が扮装していたり。僕が持っているチケットはトーゴのサッカー協会の名前が入っていたので、とりあえず敬意を表してトーゴのサポーターになってみるためTシャツを購入。アデルバイヨールもかっこいいし。で、その場で着替えると「トーゴ!トーゴ!」とか「アデルバイヨール!」とかスイスのサポーターからもやたらと声をかけられる。ワールドカップには、ほとんどの場合ホーム&アウェーっていうのはないのだな。試合は真剣勝負ではあるけれど、それとはまた別にこの空間を共有している仲間という意識があるような気がする。
スタジアムに入り座席につくと大量のスイス・サポーターがいて盛り上がっていた。しかし、日本のスタジアムとは雰囲気が全然違う。スタンドが全て屋根に覆われているということもあるのだが、応援の声が反響してうなりとなって響いている。僕は普段日本では浦和レッズの試合を観に行くのだが、ここの雰囲気と比べると大人と子供くらいの差がある。浦和も日本代表も1人のコールリーダーのもと応援がはじまるわけだが、ここではスタジアムのあちこちから自然発生的に声がはじまり、それは波が伝わるように全体へ広がって大きな音のうねりとなっている。これは・・なんていうのだろう、実際に体験しないと分からないことかもしれない。うまく説明できないのだが鳥肌がたつくらい心に響く体験だった。これだけでも、お金と時間を使うだけの価値はある。ワールドカップを観たことのある人、ない人は人生観がちがうものになるんじゃないだろうか。僕にとってはそれくらいの出来事だった。
さて、そんなこんなで感動して浮かれていると両国の国歌がながれ、そして試合がはじまった。試合展開はトーゴの動きは悪くないものの細かい技術で精度が悪いのと全体的な連動性がないため、攻め込むものの相手にとってそれほど脅威とはなっていない感じがする。スイスの守備の網にあしらわれている。キーとなるアデルバイヨールは孤軍奮闘しているがまわりがそれについていけてないというか・・しかし彼の動きは荒削りだが黒人特有のバネがあり別格だな。アーセナルがその素材に惚れ込んだのも分かる。
そうこうしているうちに、スイスがあっさりと先制。こうなってしまうとスイスは確実に守ってしまうのでトーゴとしては厳しくなる。スイスというチームは華やかさはないけれど、確実性があり勝負強い。はじめて観たのだが結構いいチームだった。こんなのがヨーロッパではなかなか勝ち抜けなかったりするのだから、アジアとはフットボールの層の厚さが全然違うのだな。しかし、僕がトーゴに肩入れしているわけではないと思うのだが、どうも審判はスイスびいきな気がしないでもない。まあ、トーゴは色々ごたごたしていて決してイメージのいいチームじゃないしな・・。スイスは後半終了間際に追加点をあげて試合終了。スイスの力強さがよく現されていた試合だった。トーゴはもうちょっと試合運びを巧みにできるようになれればよかったのだが、いかんせん荒削りな部分が多すぎた。フットボールとは身体能力が高ければそれが有利になるスポーツではないということだな。 スタジアムからの帰り道、スイスサポーターは大騒ぎ。トーゴのサポーターもいたけれど、彼らはワールドカップに出たことに満足しているようで勝負は負けたがさばさばしているようだった。まあ、小さい国としては世界中の人に名前を知ってもらえるいい機会だし。スタジアムからドルトムントの駅までは主要道路はほぼ歩行者専用となっていて人の流れに沿って歩いていくだけでスムーズに駅まで行くことができたし、お祭り騒ぎをしている人がいても大きなトラブルはなかった。 のんびり帰ってきたので、Meerbuschに着いたのは結構遅くなってしまったが、あまりにもお祭り騒ぎに浮かれすぎたのか、その日の夜はなかなか寝付くことができなかった。
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